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マイナス金利、自然利子率、グレートリセッション

日銀がマイナス金利導入ということで、なかなか素晴らしい政策だと思います。
20年にわたる金融引き締めの歴史においては、ゼロ金利政策を日銀自身が嫌がっていたものですから、デフレからの脱却が非常に遅れてしまったという経緯があります。
このような愚策が20年も続けられた真因は、当事者が本音を言うことが有り得ない以上、永遠に謎のままになるのですが、「おそらくはこういった事情だろう」という推測はできます。
日本特有の金融システム構造がその原因だろうと思われるわけですが、今回のマイナス金利導入はその構造に一部切り込んだ形になっており、金融構造改革と呼んでも良いような英断であります。
マイナス金利自体が良い効果を持続させる期待を持たせるものですが、金融システムの改革という先例が作られたことは、先例を踏襲する傾向の強い日本社会においては意義深いものだと思います。
ほかの改革をも行う可能性を拓いたという点でもとても良いことです。
安倍政権のミラクル3つめ、と評価したいですね。

自然利子率、グレートリセッション

マイナス金利の話題とも絡む、ベックワース氏による興味深い論説。
http://www.nytimes.com/2016/01/27/opinion/subprime-reasoning-on-housing.html?smid=tw-share&_r=4

Between late April and early October, the Fed kept the interest rate over which it has most direct control, the federal funds rate, at 2 percent. But when the economy weakens, the “natural” interest rate — the rate that keeps the economy on an even keel — falls. By staying in place, the Fed’s target interest rate was rising relative to that natural rate.

中央銀行短期金利を据え置いているときに経済が弱くなると、低下した自然利子率に比べて短期金利が高くなってしまう、という指摘。
こういった状況を放置するだけでも金融引き締めになってしまいます。

Market indicators of expected inflation fell sharply that summer, a sign that the economy was getting weaker and monetary policy tighter. Nominal spending showed the change. After growing for years at a relatively steady rate, it began to drop.

続いて、予想インフレ率が低下し、名目支出も低下。
このときFEDが金利を下げなかったため、グレートリセッションに突入してしまった、という見解です。

日本の超過準備への付利の問題点

日銀がマイナス金利を導入して良かったな、と思うのは、日銀が超過準備への付利をする動機として、「短期金利の下限を画するため」としていたからで、これは危ないことだな、と思っていました。
この辺の事情はマクロというか、ミクロ経済学の教科書で習う経済原理でも理解可能というか、最近ミクロ経済学の教科書を読んでいたことがセンスを磨く助けになったな、と実感した点です。
最近の日本は予想インフレ率が上がらない状況のようでしたし、消費を代表として名目支出が落ちている様子でもありましたから、こういった中で短期金利が下がらないと金融引き締め状態になるのではないかと考えてしました。
今回のマイナス金利導入で、短期金利がさらに下がる可能性が出てきて、ゼロ金利政策時に近づいてくれれば良いと思います。