消費税シフトを引き起こしているのは政治家

プライムニュースにおける高橋洋一のバカ発言を批判したエントリをあげたのですが、書き忘れがあったのでブログに。
リフレ派がよくやる誤魔化しに、「2014年の消費増税は安倍政権が財務省と学者に騙された結果」というものがありますが、これが本当なら、消費増税で景気が悪くならないと本気で考えていたのは日本で安倍晋三ただ一人、ということになります。
消費税に賛成している人たちは消費税の悪影響を否定しますが、それは当然に思惑があって言っていることなんであって、消費税が景気を悪くするなんて、その辺のおっさんでも知ってます。分からないわけがない。
だって消費行為に税をかけるんですよ?消費が下がらないわけないでしょ。
高橋洋一がやってもいないのに「計算をやったら消費増税で景気が悪くなると判断しました」とか言っていますが、計算なんて必要ないです。(それに高橋洋一にそんな計算はできません)

消費税シフトは富裕層の意向

直接税を下げて消費税を上げるという流れはこの数十年来続いていますが、これが起こる原因は財務省にあるのではなく、政治家と、政治家と関わりを持つ財界やマスコミの意向がはたらいています。
消費税シフトは富裕層の税負担を軽くするのですから当然のことであります。これは昨日のプライムニュースでも、司会者や高橋洋一が直接税改革に反対していたことでも確認できます。金持ちにとって直接税改革は嫌に決まってます。
日本では30年ほど前に納税者番号制の導入を自民党が潰して以来、消費税シフトが起こっているのです。

財政と金融の区別がつかない上念司

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何かに追われるように必死でウソをまき散らす上念。

リフレ派は自分たちに浴びせられる批判にまともに答えたことが一度もないので、「言い負かされない」のは当たり前。
上念は石破茂との討論を熱望しているらしいので、普通の経済学者に上念の主張を批判するレジメを作らせて討論してみたら良いと思います。
リフレ派の主張は穴だらけで、ほとんど当たったことがないので簡単に勝てると思います。

念のウソを一つずつ検討

上念が日銀総裁になって毎月30万円ばらまく

のっけからアウトで面白いのですが、国民にお金をばらまくには財政を経由しなければいけません。日銀総裁には財政政策を決定する権限がないので、上念が総裁になってもヘリマネはできません。
上念の無知蒙昧ぶりが一瞬で分かる動画なので、アンチ・リフレ派にとっては貴重な証拠になりました。

中国の経済統計は何が本当かまったく分からない。

中国の経済統計が信用できないなら、どうして「中国は破綻する」と上念が断言できるのでしょう?これまで散々「中国破綻」説を上念はまき散らしてきましたが、一向に破綻する気配がありません。
信用できるデータが全くないのに、上念はどのようにして中国経済本を書いたのでしょうか?

日本政府には資産があるので財政破綻しない

このバカ話を永久に続けるつもりらしいですが、日本政府の資産で売れるものはほとんどありません。あるなら上念が具体的に指摘してみれば良いでしょう。水道民営化でもするんでしょうか。

日銀が政府債務を買っているのでチャラ

日銀が政府債務を買っても債務はチャラになりません。日銀保有国債も償還しなければならないことに変わりありません。もし日銀保有国債を償還しないでいるなら、準備金が大量に溜まったままになります。この状態でインフレ目標を達成してしまうと、インフレ高進を止めるために準備金に付利しなければならなくなります。その資金を日銀は自前で用意できないので、政府が日銀法を改正して資本注入することになります。その原資は税金なので、結局は政府債務の利払いから逃れることはできません。
この話は専門家も指摘しているので、興味のある人は検索してみると良いでしょう。

和田政宗「上念の話は真実」

何の資格もない上念のホラ話と、国会議員の主張は社会的に重みが異なります。国会議員にも言論の自由はもちろんありますが、社会に危険をもたらしかねない虚偽を拡散した場合、政治責任を問われることになります。(現実には有権者はこんな話で判断できないので漫然と投票するのでしょうが)

変動相場制の国は財政破綻しない

ベネズエラは変動相場制と固定相場制の両方を採用している国で、悪政インフレが起こっています。2017年は900%くらいのインフレになるようですね。
ま、確かにベネズエラはあの状況でも政府債務の償還をしているので財政破綻していないと言えるのかもしれませんが、ああいう社会状況でも破綻でないと言い張るのには無理があるでしょう。
リフレ派は社会主義独裁を支持・支援してきたコービンを熱烈に支持しているので、ベネズエラのような社会主義統制経済・独裁政治を是としているのでしょう。

こども保険は増税

安倍政権もまた、社会保険料を値上げしたり、社会保障の自己負担を大幅アップしたりしているので明らかに増税しているわけですが、上念をはじめとしてリフレ派はまったく沈黙。

教育でGDPが増える

ギリシャは大学無償化していましたが、社会が破綻しました。アメリカの教育費は非常に高いですし、個人への負担も相当に大きいですが、世界一の経済大国です。
上念の主張には何の根拠もありません。

延々と続くリフレ派のバカ話。

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十年一日のごとく、下記のような出まかせを流布し続けるリフレ派。
www.zakzak.co.jp
リフレ派は、「自分たちは議論に連戦連勝」といった自慢話ばかりしますが、自分たちで言っているだけで、議論の勝ち負けなんぞレフェリーがいるわけではないので、どうにでも言えます。
実際にはリフレ派の財政問題についての言い分は相当に分が悪い。
消費増税の問題についてもリフレ派は、「自分たちの言う通りになった」と宣伝していますが、なっていないですね。
リフレ派は、「消費増税したらアベノミクスは終わり。日本は二度と立ち上がれない。」と主張していましたが、現実にはそうなっていません。
2014年よりむしろ経済の調子は良くなってきているわけで、消費増税の悪影響は金融政策によって相殺されつつあります。

府債務vsGDP比という与太

安倍政権とリフレ派は本気で分数が分からないようで、「プライマリーバランスを無視しても政府債務とGDPの比が低下すれば問題ない」と真顔で繰り返しています。
驚愕すべき馬鹿だと思うのですが、これに同調する人もごまんといるので、この頃私は教育の意義について疑問を持つようになってしまいました。
このバカ話に同調する人の多くは高等教育まで受けているはずで、分数計算くらい当然できるわけですが、分数の意味するところを理解して現実に応用することが全くできないのですよね。
彼らが分数計算できるのは、単に方法を暗記しているからで、その計算が意味するところは全く分かっていないということが、財政関係の話で明らかになってしまいました。
高等教育の無償化が生産性を上げるという主張に重大な疑念がわくところです。


政府債務とGDPの比というのは、政府債務の残高が分子、GDPが分母の分数です。
プライマリーバランスが赤字であるということは、新たな債務が追加されるということなので、政府債務残高が増えてしまいます。
政府債務残高が増えると、利払いも増えます。それももちろん、分子を大きくします。
その状況で、政府債務とGDPの比を下げられるとしたら、GDPの増加速度が政府債務の増加速度を上回るときだけです。
GDPの増加速度を自在に操ることができるなら、この話も実現可能性があるわけですが、安倍政権の経済運営の現状を見ればわかるとおり、GDPの増加速度を操作することはできません。
プライマリーバランスが無視されて、GDPの操作はできないのですから、これはつまり、政府債務とGDPの比を低下させられるかどうかは全く分からないという意味です。
安倍政権とリフレ派の主張は絵に描いた餅です。実現を可能にする根拠は全く存在しません。


経済政策においては、操作可能なものと不可能なものがあり、安定的に政策運営をするには操作可能なものをうまく利用することが重要であることは当然です。
(金融政策でも「予想」以外で、うまく利用できる方法を考えるときが来ていると思いますが)
財政問題で操作可能なのは、当然のことながら債務の増加速度の方です。歳出削減か増税で債務の増加速度は完全に人為的に抑えることができます。
GDPの方は操作方法が全く分かっていません。こちらに関してはFRBの元議長でもノーベル賞受賞者でも全然分かっていません。
この状況を踏まえれば、財政問題の解決法は明らかであります。
問題は緊縮財政をすると景気が悪くなるかどうかですが、少なくとも金融緩和の下での歳出削減なら景気に悪影響はないでしょう。これは欧米で実証済み。
増税であっても、直接税改革を行うなら、税種によっては景気への悪影響が抑えられるでしょう。
何が何でも増税反対、という態度はドグマ的であり、非合理的だと思います。